小浅間山は名前の通り浅間山によく似た円錐形の山です。浅間山の標高が2,568mあるのに対して、小浅間山は1,655m。登山道には急な斜面は少なく、登山に初挑戦した当時6歳の息子でも問題なく登頂できるぐらいです。しかし侮るなかれ。噴火で積もった溶岩や、小さく丸っこい軽石が登山道の樹林を抜けたあたりから目立ち、足を取られてズルズル滑りやすくなっています。また、標高も高いため11月初旬から4月ごろまで雪に遭うこともあります。
初めて小浅間山に登るなら – ネイチャーツアー
小浅間山には他の軽井沢観光エリアでは見かけない、珍しい動植物をみることができます。普通であれば見逃してしまうような小さな発見と感動が多いので初めて小浅間山に初めて登る場合はネイチャーツアーがオススメ。
峰の茶屋登山口は、鬼押出し園と北軽井沢方面の分岐点、国道146号沿いにあります。登山口には車5台ほどを無料で停められる駐車スペースがあります。満車の場合は道路を挟んで反対側の有料パーキングもあります。
東大火山観測所を右手に登山スタート。
平坦な道の左右は樹木に覆われ少しひんやりとしています。軽井沢では庭石としてよく使われる浅間石が見え浅間山の噴火の規模を物語っています。
軽井沢の代表的な植物”オシダ”(大型のシダ植物)の胞子は葉身上部のみにつくと教わりました。
石の上で見つけた「テンの高糞」。テンはマーキングのために目立つところに糞をする習性があるとか。そのほかにはアカネズミの巣穴などを発見することができました。
本道から逸れて、少し急な獣道のような脇道を進みます。ベテランのガイドさんに先導していただいてからこそ足を踏み入れることができました。
足を滑らせやすい小浅間山の中腹
登山口から50分ほど小休止をはさみながら歩くと、鬱蒼とおい茂っていた樹木がまばらになり、低木が多くなり、急に視界がひらけます。標高が高くなったことも理由の一つですが、土壌が崩れやすい軽石でできているため木が大きく育たないからだとか。ここら辺からススキが目立ち始めます。
いたるところで見つかる1〜2cm大の軽石。軽石に覆われたエリア(特に山頂付近)は滑るので登りにくく体力を奪われます。
白いシラタマノキの果実。実にはサリチル酸が含まれているため潰すと薬っぽい香りがします。
子供たちもガイドさんの説明を受けながら休憩を入れ元気に登っていきます。私のグループはTシャツに長ズボン、運動靴と山登りらしい格好をしたメンバーは一人もいなかったです。標高が高く日差しが強いため帽子は必需品。また、山頂付近は山谷風が常に吹いているため、ウィンドブレーカーなど一枚持っていくと安心です。
低木もまばらになってくると山頂も間近。きつめの勾配の細い道を進みます。
小浅間山唯一(おそらく)のやまびこスポット。この時はガスに覆われていました。
少々緊張した場所。一列に並びゆっくりと歩を進めれば問題ないのですが右手に広がる絶景を楽しめるだけの余裕はありません。ここを渡りきると山頂につきます。
小浅間山山頂。この日は最高の天気で浅間山の麓がパノラマビューが愉しめ、周りの登山者は腹ごしらえをしたり写真を撮るなどをして思い思いに満喫している様子。例年以上に暑かった2020年の夏ですが、この日(8月初旬)の山頂付近は風が強くウィンドブレーカーを羽織ってちょうど良いぐらいの気温でした。
山頂付近に群生しているクロマメノキ。鳥やネズミはこの実を好んで食べます。味はブルーベリーに似て甘酸っぱく、長野県民にはアサマブドウして知られ、生のまま頬張ったり、ジャムやジュースなどに利用されます。
果実は径8-10 mmの球状の液果で、黒紫色に熟し、表面には白粉がつく。果実は食用になる。長野県ではアサマブドウとして食用にされる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%9E%E3%83%A1%E3%83%8E%E3%82%AD
下山前に休憩するご一行とガイドさん。小浅間山には休憩しながら景色を眺められるスポットがいくつかあります。
この日の小浅間山ネイチャーツアーは午後1時ごろに出発し、午後4時に登山口に帰ってきたので往復約3時間と、小浅間山は登山初心者でも気軽に登ることができます。ガイドさんの説明や子供がいたため休憩は多めにとったのでサクサク歩けばこの半分ぐらいの時間でも足りると思います。朝早めの時間に出発しお昼頃に下山。そのあとに鬼押出し園や白糸の滝などに立ち寄る時間は十分にあります。